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Alexander McQueen- NO.13

In Designer, Fashion on June 25, 2013 at 2:27 pm

ファッション界だけに留まらず多くの人々を魅了し、亡くなった今もなお、全世界に大きな影響力を与える続けるデザイナー、アレクサンダー・マックイーン。

Alexander McQueen- A designer who attracted tons of people not only in the fashion world with his strong thoughts and creativity. Even after his death, the great influence which he affected still exists in the whole world.

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彼のコレクションにおける手の込んだ舞台装置や演出は有名であるが、まさに彼はコレクションを通し、ファッション界の常識を覆し、世界に激震を与えた。
今回は、私が一番感動し、マックイーン本人も唯一涙を流したと言われるコレクションNo.13 (spring/summer 1999)を紹介しようと思う。

As his elaborated stage scenery and performances are famously known, he defied conventional wisdoms and strongly shocked the world through his collections.
Today I’d like to talk about one collection which is said its the only one McQueen burst into tears.

このコレクションは、19世紀のアーツ・アンド・クラフツ運動にインスパイアを受けている。
アーツ・アンド・クラフツ運動とは、イギリスの詩人、思想家、デザイナーであったウィリアム・モリスが主導したデザイン運動である。ヴィクトリア朝の時代、産業革命の結果として大量生産による安価な、しかし粗野な商品があふれてしまった。そのような事態を改善しようとモリスは、中世の「手仕事」に注目し、生活と芸術を統一することを主張したものである。

This collection is inspired by the arts and crafts movement which occurred in the 19th century.
The arts and crafts movement was leaded by a British poet, thinker and a designer William Morris. In the Victorian era, because of the industrial revolution, there were so many cheap but unrefined products. This is a movement which Morris tried to focus again on the handwork which was usual on the mid century and connect the daily life with art.

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バルサの木で作られたオルゴールの人形のようなスカートと、クリスタルが刺繍されたドレスを纏ったモデル達がターンテーブを旋回し、ファイナルには、元バレリーナのシャローム・ハーロウ(Shalom Harlow)が純白のドレスを纏い登場する。

イタリアの車工場で制作された2機のロボットが黄色と黒のスプレーを噴射する真ん中で、シャーロムは美しく舞い踊り、純白のドレスはみるみるうちに全く別のドレスへと変わっていくものであった。

The models cat walked the turn table wearing a musical box doll skirt made from balsa and crystal embodied dresses. At the final, former ballerina Shalom Harlow in a pure white dress appeared.

Alexander McQueen S/S 1999 from MachaandCharly on Vimeo.

コレクションのファイナルに新たな一品を完成させる、というマックイーンの斬新かつ繊細で美しいパフォーマンス。誰もがこのファイナルで心を打たれたであろうコレクションであったが、本当の見せ場は他にもあったのだ。

実は、モデルとして幼い時に膝下から足を失ったパラリンピックチャンピオンのエイミー・ムィンス(Aimee Mullins)が登場している。ムィンスは、マックイーンが彼女のために、手で一から作りデザインした木製の義足をはめていた。

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その義足はあまりにも自然で美しいものであったため、コレクション発表後の翌月まで、特殊なブーツであると信じていたファッション・エディターもいたそうだ。

その後、マックイーンは雑誌『デイズド・アンド・コンフュースド(Dazed & Confused)』の1998年9月号ゲスト・エディターとして迎えられた。編集長の心配をよそに、マックイーンは表紙にムィンスを起用し、他にも身体に障害を持つ7人の男女をモデルとして紙面に登場させた。

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「どんな時代でも、主流の雑誌を手に取ると外見の美しい人ばかりが載っている。美しさというのは、内面からくるっていうのを伝えたかったんだ。」と、マックイーンはこのプロジェクトの動機について語った。

モデルとして起用された男女も、

「これまで、ファッション界は私たちを寄せ付けてはくれなかった。でも私たちもあなたがたと同じように人に注目されたい、人の関心を集めたいと思っているのです。この機会を与えてくれたマックイーンに感謝します」

「今、一番の問題は障害者が見えない存在になっていることだ。私たちは私たちを無視しようとす人たちによる差別に苦しんでいる。その差別はファッションと広告の世界において著しい」と、語っている。

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マックイーンの「美」に対する考えは、時には世間を驚愕させるパフォーマンスに至る。
しかし、彼の強い信念があるからこそ成り立つものであり、ファッション界という「美しいもの」と「美しくないもの」の境目が曖昧である世界にこそ、今後も才能あるデザイナー達が語り継いでいくべきものなのではないだろうか。

私たちに固定概念として根付いている「美しさ」とは、果たして正しいのものなのだろうか。

マックイーンのように、真の美しさを心で感じることが出来るようになった時に、明確な答えが導き出せるのだろう。

Meg.